お役立ちコラム｜埼玉県八潮市・足立の内装解体工事なら一生興業

2024年04月25日

解体工事の現場では、多くの危険が潜んでいますが、その中でもアスベストは特に心配される物質の一つです。
この記事では、アスベストが人体と環境に与える影響や、これに対する適切な対処方法について解説します。

アスベストの基礎知識

アスベストは耐火性や耐熱性に優れた繊維状の鉱物で、過去には建築材料などに広く使用されていました。
しかし、アスベスト繊維が人体に及ぼす健康被害が問題となり、現在ではその使用が厳しく制限されています。

アスベストが人体に与える影響

アスベストはその微細な繊維が空気中に飛散し、これを人が吸い込むことで肺や胸膜にダメージを与えます。
長期にわたって露出した場合、肺がんや中皮腫などの重大な疾病を引き起こすことが知られています。

特に解体工事の現場では、古い建物から大量のアスベストが飛散する可能性があり、作業員の健康に深刻な影響を及ぼすことが懸念されます。

解体工事におけるアスベストの特徴

解体工事時に発生するアスベストの問題は、その隠れた存在と飛散のしやすさにあります。
古い建物では、断熱材や壁材、床材など、見えない場所にもアスベストが含まれていることが多く、工事中にこれらが破壊されることで繊維が大量に空気中に放出されます。

特に建物が構造上、換気が難しい場合には、その濃度が高まりやすく、作業員だけでなく、周辺住民にとっても健康リスクが高まります。

アスベスト対策の法律や規制

アスベストが健康被害を引き起こす可能性が明らかになって以降、世界各国でその取り扱いに関する法律や規制が設けられています。

日本国内のアスベスト規制

日本では、2006年以降、建築材料へのアスベストの新規使用を禁止するとともに、既存のアスベスト含有物質の適切な管理を義務付ける法律が施行されています。

解体工事においては、アスベスト含有物質の調査、適切な除去、廃棄物の処理まで、厳密な手順が定められており、これらの規則違反には罰則が科せられます。

解体工事前の準備と安全対策

解体工事を安全に進行させるためには、アスベスト含有物の調査から始め、周到な準備と対策が不可欠です。

アスベスト含有物の調査

解体工事に先立ち、専門の調査員が現地を訪れ、建築物内のアスベスト含有物を調査します。
この過程では、建物の種類、建設年代、使用されている建材等を詳細に確認し、アスベスト含有場所とその量を正確に把握するのが目的です。

調査結果は、後に行われる対策計画の立案に不可欠な基礎資料となります。
この段階で徹底した調査を行うことで、解体工事の安全性が大きく向上します。

アスベスト対策計画の立案

アスベスト含有物の調査結果をもとに、専門家がアスベスト対策計画を策定します。
この計画には、アスベスト除去や飛散防止などの具体的な方法および作業スケジュールが含まれます。

また、作業者の健康管理や緊急時の対応プロトコルもこの計画の重要な部分です。
正確かつ効率的な計画立案により、解体工事の安全性と効率性が保障されます。

調査結果の共有と対策の周知

調査結果と対策計画は、関連するすべてのスタッフと共有されます。
この情報共有により、現場作業者はアスベストのリスクを正確に理解し、適切な対応ができるようになります。

防塵・防音対策

アスベスト飛散を防ぐため、防塵対策は極めて重要です。
特に、水を散布してホコリの発生を抑えたり、密閉された空間で作業を行ったりすることが一般的です。
また、防音対策も併せて行い、工事の騒音が周囲に少ない影響を与えるよう努めます。

適切な作業着と保護具の選定

アスベスト対応用の特殊な作業着や保護具の選定も重要な対策の一つです。
吸入防止用のマスク、目を守るゴーグル、肌を守る全身カバーなど、作業員がアスベストに直接触れたり吸い込んだりするリスクを最小限に抑えるための装備が必要です。

作業環境の安全確保

作業環境の安全を確保するため、常に現場の清潔を保ち、適切な換気を行います。
また、アスベスト作業区域と非作業区域を明確に区分し、不必要な立ち入りを防ぐことも大切です。

解体工事中の安全対策

安全な解体工事のためには、工事中にも細心の注意と適切な管理が求められます。

アスベスト飛散防止の技術

アスベストの飛散を防ぐためには、特殊な技術が必要です。
水を使った湿式の手法や、負圧式の封じ込め作業等、飛散を最小限に抑えるための方法が選択されます。
これらの技術は、作業員だけでなく、周辺環境の安全を守るためにも不可欠です。

適切な機器の使用とメンテナンス

アスベスト取扱いに適した専用の機器を用いることは、作業の安全性を高める上で非常に重要です。
使用する機器は常に最良の状態を保つよう、定期的な点検とメンテナンスを行います。
これにより、機器の故障による事故予防と、作業効率の向上が期待できます。

緊急時の対応プロトコル

万が一の事態に備え、緊急時の対応プロトコルを確立します。
これにより、事故発生時の迅速な対応が可能になり、被害の拡大を防ぐことができます。
また、作業員に対して定期的に緊急対応の訓練を行うことも重要です。

作業員の健康管理

作業員の健康を守るため、定期的な健康診断とアスベストへの曝露状況のモニタリングが行われます。
これにより、早期に健康問題を発見し、適切な対応を取ることができます。

環境モニタリングと飛散防止策の評価

解体工事中は、アスベストの飛散状況を継続的に監視し、飛散防止策の効果を評価します。
この情報は、作業方法の改善や追加的な対策を行うための重要なデータとなります。

工事後の清掃と除去作業

工事終了後は、現場の徹底的な清掃とアスベスト除去作業が行われます。
この段階で、作業員や環境への影響を最小限に抑えるため、専門的な知識と技術が求められます。

アスベスト除去後の処理と処分

アスベスト除去作業後の処理と処分は、適切な方法で行うことが必須です。

アスベスト廃棄物の安全な取り扱い

アスベストを含む廃棄物は、安全に取り扱うため、特別な袋に密閉し、適切なラベリングを行います。

認証を受けた処理施設への搬出

アスベスト廃棄物は、国の基準に従って認証を受けた専門施設に搬出されます。
この施設では、アスベスト廃棄物を安全かつ最終的に処分するための専門的な技術が用いられます。

モニタリングと記録の重要性

アスベスト廃棄物の搬出から処分までの一連の工程は、厳密に記録され、モニタリングされます。
これにより、将来にわたってアスベストの安全管理が行われることが保証されます。

解体工事のアスベスト対策の重要性と今後の取り組み

アスベストに関連するリスクは深刻であり、解体工事における適切な対応策は、作業員、周囲の住民、そして環境への影響を最小限に抑えるために極めて重要です。

今後、技術の進歩や法規制の強化を通じて、さらに効果的な対策が開発されることが期待されます。
同時に、全ての関係者がアスベストのリスクを正確に認識し、適切な対応を取ることの重要性は、今後も変わらないでしょう。