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廃材とは? 建築物の解体で排出される廃材の処分方法や処分費用相場を紹介

2023年09月11日

住宅やビルを解体する時に出る廃材。
建築物の廃材にはどのようなものが含まれ、どのように処分されるのでしょうか?
本記事では解体工事後に出る建築廃材について、区分の仕方、処分方法、リサイクルについて詳しく解説します。

廃材とは? 建築物の解体で排出される廃材の処分方法や処分費用相場を紹介

そもそも廃材とは?

廃材とは、古い住宅やビルを解体する際に、不要なものとして廃棄される産業廃棄物のこと。
廃材にはコンクリート塊、レンガ片、アスファルト片、木材、廃プラスチック類、金属くず、ガラスくずなどが含まれます。

廃材は産業廃棄物に分類される

廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分類されますが、一般廃棄物とは一般家庭の日常生活で排出される廃棄物や事業所・店舗などで排出される産業廃棄物以外の廃棄物です。
産業廃棄物の定義は、事業活動に伴って排出される廃棄物のことですが、建築の解体工事で出る廃材も産業廃棄物に入ります。

建設リサイクル法で再資源化が義務化に

建築廃材などを含む資源の有効利用や、廃棄物の適正な処理を推進するため、2002年5月に建築リサイクル法(正式名称:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)が完全施工されました。

この法律により、建築の解体で出た産業廃棄物の再資源化が義務づけられるようになりました。

建設リサイクル法では、建設発生木材、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、コンクリート及び鉄からなる建設資材の4つが、特定建設資材として再資源化を義務づけられています。

廃材の処理責任は誰にある?

建築物の解体で発生する廃材の排出事業者は解体工事の元請業者であり、廃材の処理責任を負うことになります。
解体業者は、解体で出た廃材が最後まで正しい処理がされているかを把握し、適切な措置を講じる必要があります。

廃材の処分方法

解体工事で出た廃材は、木材、コンクリート片、金属くずなど、品目ごとに分別されてトラックに積み込まれ、産業廃棄物の処理施設まで運搬されます。

処理施設に運び込まれた廃材は、さらにリサイクル可能かどうか細かく分類されます。

廃材の種類別のリサイクル・処分方法

解体工事で出た廃材は、どのように再利用されているのでしょうか? ここからは廃材の種類別のリサイクル方法を紹介します。

木材・木くず

柱、梁、扉、フローリング、ベニヤなどの木の廃材は、以下の方法でリサイクルされます。

・細かく砕いて木製チップにし、建築資材などの原料にする
・燃えやすい木材はバイオマス燃料として再利用する
・有機物と混ぜて発酵し、堆肥にして再利用する

木材や木くずの再利用率は高く、現在90%以上が建築資材、チップ燃料、堆肥の原料としてリサイクルされています。

以上の方法で再利用されないものは、焼却や埋め立て廃棄物として処分されます。

コンクリート

解体工事で排出されたコンクリート塊やコンクリート片は、細かく粉砕して再生砕石に加工されます。

再生砕石は、リサイクルの頭文字からRC(アールシー)や再生クラッシャーなどとも呼ばれ、駐車場や道路の下の路盤材などに再利用されています。

プラスチック

廃材として出たプラスチック類は、以下の方法でリサイクルされます。

・プラスチック原料として衣類やプラスチック製品の原料として使われる
・紙くずや木くずと混ぜてRPF固形と呼ばれる燃料を製造する
・焼却処理をした際の排熱をエネルギーとして再利用する

石膏ボード類

壁や天井の内装材として使用されている石膏ボードは細かく粉砕した上で、以下の方法でリサイクルされます。

・再整形して再生石膏ボードとして建築資材に使われる
・建築や建設現場での地盤改良材として活用される

ガラス類

窓やパーティションに使われていたガラス類は、細かく粉砕した上で新しいガラス原料として再利用されます。

・公園や歩道のカラー舗装の原料として再利用する
・道路やアスファルトの骨材として再利用する

金属類

ビルの解体から出た鉄くずなどの金属類は、再利用価値が高くほぼ100%リサイクルされています。
金属類は回収後に種類ごとに分類され、金属以外の不純物を取り除きます。
その後、鉄骨や鉄筋などに加工します。

まとめ

建築物の解体で出る大量の廃材は、以前は多くがゴミとして処理されていました。
限られた資源の有効利用や、産業廃棄物の適正処理を推進するために2002年に完全施工された建設リサイクル法の規定に沿って、廃材は品目ごとに分別され、さまざまな形で再資源として活用されているのです。